社会保険とは
更新:2026-05-01
病気・老後・失業のリスクに備える、会社員の3本柱の保険制度です。給与から自動天引きされ、会社が半額を負担します。
3つの保険の概要
| 保険の種類 | 主な給付 | 保険料率(概算) | 負担割合 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 医療費の自己負担を原則3割に | 標準報酬月額の約10% | 労使折半 |
| 厚生年金保険 | 老後の年金(国民年金の上乗せ) | 18.3% | 労使折半(各9.15%) |
| 雇用保険 | 失業給付・育児休業給付 | 給与の1.55%(2024年度) | 労使で按分 |
各保険の詳細
健康保険
医療費の自己負担を原則3割に抑える制度です。
主な給付内容:
- 外来・入院・薬代の自己負担3割
- 高額療養費制度:1か月の自己負担額に上限を設定(所得に応じて異なる)
- 標準的な収入の人:月57,600円が上限
- 低所得者:月24,600〜35,400円が上限
- 傷病手当金:病気・けがで休業した場合に給与の約2/3を最大1年6か月支給
- 出産手当金:産休中に給与の約2/3を支給
扶養家族(年収130万円未満)は追加保険料なしで加入できます。
厚生年金保険
老後の年金を積み立てる制度です。国民年金(1階部分)の上乗せ(2階部分)として機能します。
年金受給額の目安:
- 平均的な会社員(年収500万円・加入期間40年)の場合:月約14〜16万円(国民年金含む)
- 国民年金のみ(自営業等)の場合:月約68,000円(満額)
在日外国人の特例:日本を離れる際、厚生年金は「脱退一時金」として請求できます(最大5年分)。受給条件は加入期間が6か月以上で、日本国籍がないこと。
雇用保険
失業した場合や育休・介護休業中に給付を受けられる制度です。
基本手当(失業給付)の受給条件:
- 離職前2年間に12か月以上の加入期間
- ハローワーク(公共職業安定所)に求職申込
- 自己都合退職:給付制限期間2〜3か月あり
- 会社都合退職:給付制限なし、受給期間も長め
給付日数の目安:
| 加入期間 | 自己都合 | 会社都合 |
|---|---|---|
| 1〜5年 | 90日 | 90日 |
| 5〜10年 | 120日 | 120日 |
| 10〜20年 | 150日 | 180日 |
| 20年以上 | 150日 | 240日 |
概算保険料(年収別)
| 年収 | 健康保険(月額) | 厚生年金(月額) | 雇用保険(月額) | 合計(本人負担・月額) |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約14,500円 | 約22,950円 | 約1,250円 | 約38,700円 |
| 500万円 | 約24,800円 | 約45,750円 | 約2,100円 | 約72,650円 |
| 700万円 | 約34,600円 | 約59,475円 | 約2,900円 | 約97,000円 |
※ 協会けんぽ(東京都)の保険料率で計算。健康保険組合加入の場合は異なります。
社会保険料の節税効果
社会保険料は全額が所得控除の対象になります。
例:年収500万円で社会保険料を年87万円支払った場合
- 課税所得が87万円下がる
- 税率20%なら 年17.4万円の節税効果
iDeCoと合わせると、社会保険料+iDeCo掛金でかなりの額の所得が控除されます。
よくある質問
Q. 自分でどの保険に入っているか確認するには? A. 毎年発行される「健康保険被保険者証」と「ねんきん定期便」(日本年金機構から毎年誕生月に送付)で確認できます。また「ねんきんネット」(オンライン)で加入状況と見込み額を確認可能です。
Q. 転職中の健康保険はどうなる? A. 退職後は①任意継続被保険者(最大2年間、保険料は全額自己負担)②家族の扶養に入る③国民健康保険に加入、の3択です。転職先が決まるまでの期間によって最適な選択が変わります。
Q. 産休・育休中も社会保険に加入しているの? A. はい。産休・育休中も被保険者資格を維持します。この期間は会社・本人ともに保険料が免除されます(育児休業等保険料免除制度)。
Q. 外国人でも社会保険に加入しなければいけない? A. はい。在留資格の種類に関わらず、適用事業所に勤務する場合は加入義務があります(短期就労を除く)。
Q. 副業している場合の社会保険は? A. 副業先でも一定の勤務時間・日数があれば社会保険の適用対象になります(2022年10月から適用範囲が拡大)。本業と副業で二重に保険料が発生する場合、合算して計算されます。